医薬品添加物

医薬品の賦形剤は、医薬品の製剤において重要な成分であり、医薬品の開発や有効性において様々な役割を果たす原薬(API)以外の物質として定義される。従来は不活性であると考えられてきたが、最近の知見により、賦形剤は医薬品の性能に影響を与え、時には副作用を誘発する可能性があることが明らかになった。

賦形剤の定義と役割

賦形剤とは、医薬品の原薬と一緒に配合される不活性物質と定義される。その主な目的は以下の通りである:

増量と投与:

これらは強力な有効成分を含む製剤に嵩を与え、正確な投与を容易にする。一般的な例としては、乳糖やデンプンなどの充填剤や希釈剤が挙げられる。

安定性とバイオアベイラビリティ:

賦形剤は薬剤の安定性を高め、経時的な分解を防ぎ、有効成分の吸収を助けることでバイオアベイラビリティを向上させることができる。

マニュファクチャリング・エイド

流動性を向上させ、錠剤形成時の粘着を防止し、剤形の均一性を確保することで、製造工程を支援する。

患者の受容性:

賦形剤は、医薬品の味、外観、全体的な受容性を改善することができ、これは患者のコンプライアンスに不可欠である。この目的のために、香料や着色料が一般的に使用される。

機能強化:

賦形剤の中には、錠剤が消化管内でばらばらになるのを助ける崩壊剤や、錠剤の製造や投与を容易にする滑沢剤など、特定の機能を果たすものがある。

賦形剤の種類

賦形剤は、その機能性、起源、または投与経路に基づいて分類することができる:

機能別:

  • バインダー:成分をつなぎ合わせる(例:ゼラチン、ポリビニルピロリドン)。
  • 崩壊剤:錠剤の分解を促進する(例:クロスカルメロースナトリウム)。
  • 潤滑油:製造時の摩擦を軽減する(ステアリン酸マグネシウムなど)。
  • 防腐剤:微生物の繁殖を防ぐ(安息香酸ナトリウムなど)。

投与経路別:

  • 経口(錠剤、カプセル)
  • 局所用(クリーム、ジェル)
  • 非経口(注射剤)
  • 吸入(エアゾール)

起源によって:

  • オーガニック(例:砂糖、でんぷん)
  • 無機物(カルシウム塩など)

安全性と規制に関する考察

賦形剤は一般的に安全と考えられているが、リスクが全くないわけではない。賦形剤の中には、過敏反応を引き起こしたり、有効成分と相互作用したりするものもある。例えば、ある種の着色料は、敏感な人への悪影響に関連している。FDAやEMAのような規制機関は、医薬品の製剤に使用されるすべての賦形剤について、患者の安全性を損なわないよう、徹底した安全性評価を要求している。
微結晶セルロース(MCC)

説明:高級木材パルプを酸加水分解して得られる、精製された部分解重合セルロース。

機能:結合剤、充填剤、崩壊剤、安定剤として作用する。錠剤の強度を高め、溶解速度を向上させる。

アプリケーション:錠剤、カプセル剤(湿式造粒、直接打錠)、外用剤、薬用ゲルなどに使用。

ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)

説明:セルロースを原料とする冷水に可溶な半合成ポリマー。

機能:増粘剤、フィルム形成剤、放出制御剤の役割を果たす。

アプリケーション:徐放性製剤や錠剤・カプセルのコーティング剤としてよく使用される。

エチルセルロース(EC)

説明:セルロースのエーテル誘導体で、水には溶けないが有機溶媒には溶ける。

機能:皮膜形成剤として機能し、水分バリア性を提供する。

アプリケーション:腸溶性コーティングや放出制御製剤に使用される。

カルボキシメチルセルロース(CMC)
説明カルボキシメチル化により修飾されたセルロースの水溶性誘導体。

機能:増粘剤、安定剤、乳化剤、崩壊剤として働く。

アプリケーション:テクスチャーと安定性を向上させるため、経口剤や外用剤に配合される。

セルロースアセテート
コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)
説明セルロースのアセチル化誘導体。

機能:pH依存性の溶解性により、主に腸溶性コーティングに使用される。

アプリケーション:徐放性製剤によく使用される。

メチルセルロース(MC)

機能:増粘剤、乳化剤として働く。

説明:セルロースのメチルエーテルで、冷水には溶けるが、加熱するとゲルになる。

アプリケーション:ゲル化特性を利用し、食品、医薬品、化粧品に使用される。

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